いつもの教室。いつものつまらない授業。
ぼんやりと窓を眺めていると……突然、女の子が現れたんだ。
そう、二階の窓から!
二階の窓から飛び込んできた――後に‘ウタカタ’と名乗る女の子は、その後も変わらずムチャクチャだった。
教卓に上ると服は脱ぎだすし、俺の鼻の穴に指を突っ込もうとするし、しまいには獣みたいな耳としっぽが出てくる始末だ。
頭が痛い。
……でも。少しばかり、わくわくする。
色あせていた目の前のせまい世界が、鮮やかに広がっていく。
――こうして、たった数日間の騒がしくも優しい物語が突然に始まったんだ。
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